ネタが尽きる現場で感じるモヤモヤ
私の職場では「リスクアセスメントを毎月提出する」ことが義務のようになっている。正直に言えば、毎月なんてネタが尽きるに決まっている。
しかも私たちは 元請けの工場内で、元請けの設備を使って作業している下請け側だ。その環境で「ここが危ない」「あれを改善して」など、まるで自社設備のように改善案を書けと言われるのにも違和感しかない。
今回は、このモヤモヤについて整理しながら、どうして毎月リスクアセスメントを作らされるのか、そして現場が感じている“本音”を書いてみたい。
■ 本音:そもそも毎月書く必要あるの?
リスクアセスメントとは、本来「危険の洗い出し」と「事故の予防」が目的だ。
しかし、毎月強制されると、目的がいつの間にかすり替わってしまう。
- 提出すること自体が目的になる
- 内容よりも数をこなすことが重要になる
- “とりあえず書けるネタ探し”が始まる
安全を守るための書類なのに、これでは“安全のため”ではなく“提出のための安全書類”になってしまう。
これ、現場の多くが感じていることではないだろうか。
■ リスクなんて毎月そんなに変わらない現場もある
毎日にように設備が更新されたり作業内容が変わる職場なら、リスクも変化するだろう。
しかし、現実はどうか?
- 作業内容はほぼ同じ
- 設備もほとんど変わらない
- 季節によって多少の変化はあるが、毎月書くほどではない
つまり、年に数回で十分対応できるのが実情だと思う。
「1年に1件でいいのでは?」というのは極端ではなく、むしろ自然な感覚だ。
■ 元請け設備のリスクまで毎回書かされる理不尽
私たち下請けは元請けの工場で元請けの機械を使って作業している。
なのに、リスクアセスメントでは必ずと言っていいほど
- あそこが危ない
- ここを改善すべき
- 手すりを付けろ
- 掃除が行き届いていない
など、“元請けの設備や環境”に対する指摘を書かなければならない。
改修する権限もない。
改善を依頼する立場でもない。
言ったところで「それ下請けのあなたが言うこと?」という空気。
それでも書類を埋めるためには書かざるを得ない。
これでは本末転倒だ。
■ なぜ毎月求められるのか?(制度側の本音)
実は、「毎月提出させる」というのは 会社が“安全への取り組みをアピールするため”の側面が強い。
- 毎月書類が出てくる=安全活動をしている証拠
- 元請けへの提出資料として使う
- 危険を意識している姿勢を見せたい
- 労災が起きたときの言い訳材料になる
つまり、多くの場合は 現場のためではなく会社のためだ。
これが現実。
だからこそ、現場は疲弊し、形骸化し、負担だけが増えていく。
■ 現場の負担を減らすためにできること
私自身が考えている改善案をいくつか挙げておきたい。
● ① 年に数回+変化時のみで十分
- 設備更新
- 作業工程の変更
- 季節的リスク(夏場の熱中症など)
こういう“変化”があるときにやるだけで本来は成り立つ。
● ② テーマを固定してローテーションする
毎月「新しいネタ」を探すのではなく、
- 「車両系作業のリスク」
- 「化学物質のリスク」
- 「持ち替え作業のリスク」
- 「共有スペースのリスク」
のようにテーマを決めて回せば無理がない。
● ③ 元請け設備の問題は「報告」扱いにする
改善案ではなく、あくまで
“現場から見た気づきの報告”
と位置づけるだけで精神的負担は減る。
■ 最後に:安全のための書類が“負担”になってはいけない
本来、安全活動というのは「事故を減らすため」「働く人を守るため」にあるものだ。
それが形だけの書類作成になり、
ネタ探しのための負担になり、
改善できない設備に指摘をねじ込む仕事になってしまったら、
安全とは真逆のストレス要因になってしまう。
現場の気持ちはもっと尊重されるべきだと思う。


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